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>展示案内>甲州食べもの紀行 山国の豊かな食文化展

展示案内


甲州ゆかりの食材たちのイラスト

甲州食べもの紀行のタイトル画像

甲州ゆかりの食材たちのイラスト

 

ほうとう、煮貝、ぶどうにワイン。山梨にはおいしいものがたくさんあります。ところが、その歴史となると、案外、知られていません。
  たとえば、江戸時代に甲州を旅した人はどんな食べものに興味を惹かれたのでしょうか?本展ではそんな旅人の視点を手がかりに、甲州の食の歴史を探っていきます。
  信玄の宴会で出された豪華メニューの再現、山国・甲斐に運ばれた意外にも多彩な海産物の数々、フルーツ王国誕生の秘密などなど・・・さまざまな時代と切り口から奥深い山梨の食の世界にご案内します。
 
 私たちがご案内します!
歌川広重のイラスト
木村喜繁のイラスト
ジョアン・ロドリゲスのイラスト
荻生徂徠のイラスト
泉光院のイラスト
古守豊甫のイラスト
歌川広重
木村喜繁    ジョアン・ロドリゲス    荻生徂徠
泉光院
古守豊甫
本展による調査成果
植月 学 2010 「『甲陽軍鑑』「御献立之次第」の評価をめぐって‐」『山梨県立博物館研究紀要』 第4集 (PDF:4.86MB)
植月 学・宮沢富美恵 2011 「甲州における幕末・明治期の海産物消費動向‐大久保黄斎『世事記』の分析から‐」『山梨県立博物館研究紀要』 第5集 (PDF:9.75MB)
**本展に関連して山梨日日新聞に「やまなし 食の風土誌」を連載中!(毎週木曜日)**
■期間
平成20年10月11日(土曜)〜12月8日(月曜)(終了しました)

■時間
午前9時から午後5時(入館は午後4時30分まで)

■休館日
10月14日、21日、28日、11月4日、11日、18日、25日、12月2日(いずれも火曜日)

■観覧料
 
通常料金
団体割引料金(20名以上)、宿泊者割引
常設+特別
共通券
一般
1,000円
840円
1,240円
高校・大学生
500円
420円
580円
小・中学生
260円
210円
290円

※次の方は特別展の観覧料が免除となります。
  ・県内在住の65歳以上の方
  ・土曜日における小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の児童・生徒
  ・障害者基本法第2条に規定する障害者の方
※宿泊者割引は、県内のホテルや旅館等に当日か前日に宿泊される方を対象とした割引料金です。
※無料、 割引料金の対象となる方はそれぞれ証明できるものをご提示ください。
定期観覧券(年間パスポート)もどうぞご利用ください。

■主催山梨県立博物館・(財)自治総合センター・山梨日日新聞社・山梨放送
■特別協力味の素株式会社ライフサイエンス研究所
■後援朝日新聞甲府総局、NHK甲府放送局、エフエム甲府、エフエム富士、産経新聞甲府支局、テレビ朝日甲府支局、テレビ山梨、日本ネットワークサービス、笛吹農業協同組合、毎日新聞甲府支局、山梨県食生活改善推進員連絡協議会、山梨県ワイン酒造組合、山梨新報社、山梨中央銀行、読売新聞甲府支局
■展示の内容
 


あの広重も楽しんだ  食の見本市・甲府城下町

士農工商の様々な人々が行き来し暮らした甲府城下町には、数多くの飲食店が立ち並び、食べ物が流通していました。まさに甲斐国の胃袋と言っても良い甲府城下町における豊かな食文化の具体像を明らかにします。

歌川広重(うたがわひろしげ)
浮世絵師。甲府道祖神祭りの幕絵を描くために来甲。連日連夜の飲食が日記に記されている。
歌川広重のイラスト
本展入口の江戸時代のお菓子屋さんの再現付近の写真
 


甲府買物独案内
『甲府買物独案内』
●展示資料(一部)
・「松亭献立帳」(甲府市・個人) 甲府魚町の料亭の豪華メニュー(江戸時代天保年間)
・「甲府商家高名録」 甲府城下町の飲食店など
・「甲斐名所寿古六」 甲斐の特産物を描いた双六
・甲府城下町から出土した食器類、植物・動物遺体

 
 

 


巨大なマグロにイルカ 山国に運ばれた海の幸 

山国甲斐には、意外にも先史時代から様々な海産物が流入し、その中から煮貝のような独自の食文化も生み出されました。海産物をめぐる文化の豊かさを示す様々な遺物を紹介します。

木村喜繁(きむらよししげ)
浜御殿奉行。出張中にマグロの大漁を目撃。紀行文と美しい画帳を残している。
木村喜繁のイラスト
甲州ゆかりの海の幸にまつわる資料を紹介する展示室の写真
天保三年伊豆紀行
木村喜繁が描いた『天保三年伊豆紀行』 (静岡県立中央図書館)
画帳より沼津におけるマグロ大漁の様子

●展示資料(一部)
・「天保三年伊豆紀行」(静岡県立中央図書館) 江戸時代後期に伊豆を旅した役人の旅行記と画帳。マグロ大漁の様子が描かれる。 
・鰍沢河岸跡から出土したマグロ、サメ、イルカなどの骨、およびクロマグロ、ネズミザメ、スジイルカのレプリカ・剥製
・「世事記」(身延山大学図書館)  南アルプス市(旧甲西町)の蘭学医、大久保黄斎が書き残した幕末から明治にかけての家計の記録。特に魚介類の豊富さが目を引く。
・「金桜神社絵馬」(沼津市金桜神社) 沼津におけるマグロ大漁の様子を描いた絵馬
中道往還を馬の背で運ばれるマグロ
鰍沢河岸跡から出土したマグロ、サメ、イルカなどの骨
中道往還を馬の背で運ばれるマグロ
( 『生魚運搬の図』。土橋驚堂筆・土橋高志氏蔵)

鰍沢河岸跡から出土したマグロ、サメ、イルカなどの骨
(県立考古博物館)
 


戦国武将の宴会は?  復元!信玄の食膳

武田信玄は甲斐国を代表する人物の一人ですが、その食生活となるとよく分かっていません。しかし、近年、勝沼氏館跡からの出土品や古文書などにより、彼の生きていた時代の食文化が次第に明らかになっています。当時の食卓を再現し、武田信玄の世界に思いを馳せていただきます。

ジョアン・ロドリゲス
イエズス会司祭(ポルトガル人)。戦国〜江戸時代の日本に滞在。
ジョアン・ロドリゲスのイラスト
信玄の食膳の写真

信玄のお膳調理風景写真1
信玄のお膳(本膳)の写真
復元された信玄のお膳の写真
復元された信玄のお膳
『甲陽軍鑑』をベースに、室町〜江戸時代の料理書を参考にして、京都の料亭で料理の再現をおこなった(上左:数の子を土器に盛り付ける。上右:再現された本膳)。
再現した料理をかたどりし、模型をつくり、彩色を施して完成(左)。式三献、本膳から5の膳、御菓子まで合計9つの膳の豪華料理を復元した。

 
酒飯論絵巻
『酒飯論絵巻』(愛媛県歴史文化博物館)
勝沼氏館跡出土漆器
勝沼氏館跡出土漆器(甲州市教育委員会)
●展示資料(一部)
・信玄のお膳(復元) 信玄の時代の豪華饗宴料理を再現
・「酒飯論絵巻」(愛媛県歴史文化博物館) 室町時代の酒宴、食事風景を描いた貴重な資料
・「武田流当家献立要伝書」 
・「七十一番職人歌合」 包丁師など食に関わる職業も描かれる 
・勝沼氏館跡出土食器類(甲州市教育委員会) 戦国時代の漆器椀、箸など
 
 


ブドウ栽培はいつから?  フルーツ王国誕生の謎

現在の山梨は日本でも指折りの 果樹王国です。古代の特産物や 葡萄、桃栽培の起源など、甲州が果樹王国として発展するまでの歴史と風土を明らかにします。

荻生徂徠(おぎゅうそらい)
儒学者。柳沢吉保の命により甲斐国を視察。勝沼宿で葡萄棚を見るなど、甲州の特産物を目の当たりにした。
荻生徂徠のイラスト
展示室内の江戸時代の葡萄棚の再現風景の写真

大正時代のワイン造り映像
大正時代のワイン造り映像(甲州市)
明治から昭和にかけてのワイン醸造場「宮光園」(甲州市勝沼町)の道具倉から、35ミリ映画フィルムが発見されました。
フィルムには、ブドウの収穫から、人馬による運搬、破砕・発酵・圧搾・熟成・瓶詰めまでのワイン製造工程が記録されています。
撮影・製作は大正11年(1922)〜昭和2年(1927)、戦前のワイン醸造を伝える貴重な映像です。(当展示室内でご覧いただけます。)

 
大日本物産図会
『大日本物産図会』
甲州道中膝栗毛
ブドウを食べる江戸時代の旅人(『甲州道中膝栗毛』)
●展示資料(一部)
・「甲斐叢記」 甲州(峡中)八珍果の絵
・「甲州道中記」 江戸時代の月の雫の絵
・「諸国道中商人鑑」 水菓子(青梨子、葡萄など)を売る店
・江戸時代の葡萄出荷籠復元(甲州市教育委員会)
・「甲州葡萄掛紙貼付帳」 葡萄出荷時にかぶせた掛紙のコレクション
・大正時代のワイン造り映像(甲州市)  勝沼のワイン醸造場跡「宮光園」から発見された。ブドウの収穫から発酵、瓶詰めまでが記録された貴重な映像。
ブドウ出荷籠復元
ブドウ出荷籠復元(甲州市ブドウの国文化館)
 
 


ほうとうのルーツは?  甲州麺紀行

現在の山梨を代表する郷土料理「ほうとう」をはじめ、甲州ではさまざまな粉食文化が発達しました。 江戸時代後期に修行のため全国を歩いた日向国(宮崎県)の修験・泉光院も、甲斐国ではほうとうを「当国名物」と記録し、そば粉やトウモロコシの粉を練った食べ物を珍しがっています。文献や遺跡出土資料などをとおして、庶民の食に迫ります。

泉光院(せんこういん)
修験者。日向国(宮崎県)から修験の霊山をめぐる廻国の旅にでる。甲州にも滞在し、日々の食事を日記に記した。
泉光院のイラスト
甲州の麺にまつわる資料と蜂の巣の写真
ほうとうの写真
●展示資料(一部)
・先史、古代、中世の土器、製粉具(釈迦堂遺跡博物館、県立考古博物館)
・ほうとうやそば切りの記録
・「国玉農暦絵図屏風」(甲府市・個人) ※写真のみ
・芋代官・中井清太夫関連資料 
・縄文時代のダイズ圧痕土器(県立考古博物館)とダイズのレプリカ

ほうとう(撮影:依田萬代氏)
11/9かいじあむ講座「ほうとうのルーツ」開催!
   
野田泉光院自画像
大日本九峯修行日記
特別公開 『野田泉光院自画像』と『大日本九峯修行日記』(宮崎県立図書館)
 
 


長寿をもたらした山のくらし −食の現在と未来−

雑穀栽培、狩猟採集など山村での生活を支えた食と健康の関連が見直されています。食に関わるさまざまな問題が噴出する今、食文化をとおして、我々のこれからの生き方について考えるきっかけを提示します。

古守豊甫(こもりとよすけ)
医師。代用教員として棡原(ゆずりはら、上野原市)に滞在したことをきっかけに、医師となってから、村人の健康長寿と食生活の関係を追及した。
古守豊甫のイラスト
山のくらしを再現した展示室の写真
●展示資料(一部)
・甲州西山の焼畑農耕用具(早川町教育委員会) 重要有形民俗文化財
・「奈良田の焼畑」(早川町教育委員会)  焼畑の再現を記録した映像
・古守豊甫先生直筆原稿『長寿村 棡原』(上野原市立図書館)
・北杜市金生遺跡出土イノシシ骨 全国に例がない縄文時代晩期の土坑より大量に出土したイノシシ頭骨
・肉食に関する記録類


山間地での雑穀栽培(早川町)
アカモロコシの収穫風景写真
山間地での雑穀栽培(早川町)
アカモロコシの収穫(早川町)
甲州西山の焼畑農耕用具
甲州西山の焼畑農耕用具
(早川町教育委員会)
奈良田の焼畑映像
奈良田の焼畑の映像(早川町)
県内で最後まで焼畑が行われていた早川町奈良田地区で、昭和61年(1986)に焼畑を再現した際の記録映像。(当展示室内でご覧いただけます。)
 
 






■関連イベント 
(変更となる可能性がございますので、事前のご確認をお願いいたします)
10月26日(日曜)
※ 終了しました。
特別記念講演会
  「泉光院の旅と甲州の庶民生活」
 時間:午後2時から午後3時30分
 場所:総合教育センター 大研修室
 講師:石川 英輔 先生(作家)
 ※申込不要・参加費無料    
11月24日(月曜・振休)
※ 終了しました。

シンポジウム「山国の豊かな食文化」
 詳しい内容についてはこちらをご覧ください。
 時間:午前10時30分から午後5時
 場所:総合教育センター 大研修室
 基調講演:原田 信男 先生(国士舘大学21世紀アジア学部教授)

   「山の食文化史」   他、研究報告5本
 主催:山梨県立博物館・山梨郷土研究会・山梨県考古学協会
 ※申込不要・参加費無料  

10月19日(日曜)
※ 終了しました。
かいじあむ講座「甲州に運ばれた海の幸」
 時間:午後1時30分から3時
 場所:当館生涯学習室
 講師:植月 学(当館学芸員)
 ※申込不要・参加費無料  

11月9日(日曜)
※ 終了しました。

かいじあむ講座「ほうとうのルーツ」
 時間:午後1時30分から3時
 場所:当館生涯学習室
 講師:中山 誠二(当館学芸課長)
 ※申込不要・参加費無料  

10月11日(土曜)〜13日(月曜・祝)
11月1日(土曜)〜3日(月曜・祝)
11月20日(木曜・県民の日)
11月22日(土曜)・23日(日曜)
※ 終了しました。
甲州味の見本市
伝統の味を守っている方々、団体による郷土料理の調理体験や試食会をおこないます。 展示で食文化をご覧になった後は、実際に味わってみてください。
出品料理と地域についてはこちらをご覧ください。
  場所:博物館庭
  時間:午後1時〜午後3時(予定)
 ※申込不要・参加費無料。
 ※ 材料がなくなり次第終了とさせていただきます。 
10月13日(月曜・祝)※ 終了しました。
12月7日(日曜)
※ 終了しました。
収蔵品ゆかりの地ツアー
10/13のツアーについては、こちらをご覧ください。
12/7のツアーについては、こちらをご覧ください。

毎日開催中

  ギャラリートーク風景写真


ギャラリートーク

専門の職員が、本展の見所や調査・研究の裏話などを紹介しながら展示をご覧いただくイベントです。
  時間:いずれも午後1時30分から約1時間程度
  場所:企画展示室
  ※申込不要ですが、事前に企画展観覧券をご購入ください。

 
■展示図録好評販売中! 「甲州食べもの紀行」図録
本展の展示図録(1,800円)は好評発売中です。
図録についての情報は、ミュージアムショップのページをご覧ください。
展示には盛り込めなかったテーマ、信玄のお膳の全写真、復元過程なども収録。
展示とあわせてご覧ください。
 
■関連書籍コーナー
関連図書コーナーの写真 資料閲覧室では、本展に関する書籍を集めた関連図書コーナーを設置しております。企画展の事前学習に、復習に、どうぞご活用くださいませ。
展示室内のチェックポイントの写真
 
■「甲州食べもの紀行 12のへぇー」 を開催しました。
12のへぇー!?ガイドブック

展示室のなかに、12ヶ所の右のような看板が設置されています。
これらは、本展がご紹介している、甲州の食文化にまつわる「そうなんだ〜」と思わず言ってしまう事ごと12個を分かりやすく表示したものです。
12のへぇー!?を追いかけて、甲州の食文化の謎をお見逃しなく!

   

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