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インデックス>富士山>葛飾北斎 冨嶽三十六景

富士山


博物館資料のなかの『富士山』

葛飾北斎 冨嶽三十六景

12:相州七里浜(そうしゅうしちりがはま)

相州七里浜

「冨嶽三十六景」の広告文にも書かれた本シリーズ初期の藍摺の一枚である。新しい表現を挑戦する気持ちがあったのか、七里ヶ浜の常套的な構図や地理的関係を無視し、七里ヶ浜は端の集落を見せるだけで浜辺を描かず、江の島の形も不明瞭で、小動岬と富士を大きくとらえている。藍一色で墨絵の趣があり、海浜の風景が強烈な日射しでハレーションをおこしている見える様を思わせる。

※七里ヶ浜(神奈川県鎌倉市)
本図は、七里ヶ浜の北にある、現在、鎌倉山と呼ばれる丘陵付近から富士を望む小動(こゆるぎ)岬や江の島が描かれているが、富士を除く図中の風景は、鎌倉山付近から南西を見た構図となるので、実際にはこのような風景を見ることは難しい。


 
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